りゅうおうのおしごと!3
- 作者: 白鳥士郎
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: Kindle版
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なのでこれはいけない!と本書に手を出すことに。
相変わらず熱い物語なのはいつも通りだが、1、2巻は将来有望で才能豊かな一方、知識と経験が不足したあいちゃん、そしてその師匠八一の成長物語だった。一方、本巻は一転して女流棋士年齢制限まで2歳を切った25歳の桂香さんのお話。
本書を読みながらヒカルの碁の伊角さんを思い出した。伊角さんは実力がありつつもプロ試験という壁をなかなか乗り越えることが出来ず苦労人という人物(それでも20歳過ぎでプロ試験に合格しているが)。
彼と比較すると、本巻の桂香さんは失礼ながら彼とは違い、そもそも現時点ではプロレベルには実力が追いついていないという、また違った、でもありふれた辛さがある。
これまでの巻同様、熱い将棋小説として楽しむことは出来る。でも、それなりの経験を積み、自分の能力的限界を否応なく思い知ったことのある人であれば、実体験と重ねることでまた違った感じ方があると思う。ただし、それが単純な面白さといえるかどうかは分からないけども。